日本ワインなび

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マンズワイン株式会社
マンズワイン小諸ワイナリー醸造責任者
西畑徹平さんに学ぶ
「初志貫徹する真っ直ぐな心」
(全8回)

第5回「応援してくれる人がいるから頑張れる」

掲載日:2022年4月20日

ブルゴーニュ、ボルドー、日本でのワイン造り

田口 ブルゴーニュやボルドーで修行されてみて、やはりワイン造りは日本の方が気候的に厳しいなと思われましたか?

西畑 日本だから凄く大変かといえば、そんなでもないんじゃないかな、というのが僕の印象です。ブルゴーニュもボルドーも楽そうだとは思いませんでした。梅雨は確かにないけれど、大事な時期に雨が降ることもけっこうありますからね。
 
例えば2013年、ブルゴーニュでは雨が続いていて、5月と6月の間に日照時間が24時間程度しかないと言われていた時がありました。それから、グッドヴィンーテージと言われている2015年、シャトー・ラ・ラギューヌで僕もブドウの収穫をしました。
 
その年でさえ収穫の時期は毎日雨が降っていたんです。一日中雨というわけではありませんでしたが、土砂降りの日もありました。収穫直前までは干ばつ気味だったので、少し雨を待ってから収穫したいと言う意見もあったようです。
 
ブルゴーニュでもボルドーでも細かく草を取って、ちゃんと芽かきをして、摘芯して…しっかりと自分たちの定めた方向に沿って畑仕事をしていました。ぼーっとしていてもできるという感じでは全くありませんでした。
 
それから、ブルゴーニュでもボルドーでも霜や雹の被害もありますからね。それに比べれば逆に日本の方が楽な部分もあると思います。たださすが農業大国だけあって栽培に関する設備的なところは進んでいると感じました。

友達との楽しかった思い出、そしても今も

田口 勉強では大変なことも多かったと思いますが、楽しかった想いでもたくさんできましたか?西畑さんのお人柄でしたら、きっとたくさんのお友達に恵まれたのではと想像します。

西畑 おかげさまで友達もたくさんできましたし、楽しい思い出もたくさんできました。シャトー・ラ・ラ・ギューンで働いている人とキノコを採りに行ったこともありました。セップ(cèpe)っていうキノコ知ってますか?

田口 もしかしてポルチーニのことですか?

西畑 はい、そうです。フランスではセップ、イタリアではポルチーニと呼ばれています。
 
エリンギのちょっと大きいやつみたいな感じなんですけど、現地ではけっこう売っているんですよ。本物のメドックのセップを食べてみたいと思ってシャトーの友人に相談して連れて行ってもらいました。2015年は乾燥の年だったのであまりセップにとっては外れ年でしたが。世界中に友達が増えたのは本当にありがたいことです。


西畑さんが撮影したセップ

田口 フランスでできたお友達とは今でも繋がっているのですか?

西畑 はい、メッセンジャーで会話したり、SNSにコメントしたり。今も繋がっています。

田口 みなさん現在は世界中のあちこちでワイン造りをされている方ということですか?

西畑 ワイン造りをしている人もいるし、醸造機器屋さん、コンサルティングの会社、色々ですね。「懐かしいね」って、今もやりとりしています。ノスタルジーですね。

応援してくれる人がいるから頑張れる

田口 フランスに行く前とフランスに滞在されていた4年以上、西畑さんは深夜まで猛勉強し続けて、遂に栽培と醸造のフランスの国家資格を取得するという目標を果たされたわけですね。西畑さんは勉強は嫌いだと仰っていましたけど、毎日そこまで勉強されるのは、責任感の強さもあるのでしょうね。

西畑 もちろん自分のために頑張ってはいるんだけど、「応援してくれる人がいるから頑張れる」ということに気が付きました。もともとブルゴーニュに住んでいる知り合いもいて、彼に「ちょっとしんどい…」と相談したら、「飯食いにいこうぜ!」と言ってとわざわざボーヌからボルドーまで会いに来てくれたり。フランスで知り合った日本人の方にもずいぶん応援してもらい、感謝しています。
 
マンズワインに入社した時の同期が総務部にいるのですが、僕が悩んでいる時も、すぐに会社と調整してくれ対応してくれたり。

田口 皆の応援があるからこそフランスで2つの国家資格を取得することができ、それを日本に持ち帰ってこれたわけですね。ワインとは色々な方の力が合わさって出来上がるもの…ということでしょうか。

西畑 昔、リキュールを造っていた時代も同じなのですが、ワインはチームワークで出来上がるものだと思っています。アイデアとしては色々出せますけど、最終的な形にしてに商品にするというのが一人ではできないことですから。

(つづく)

この記事の著者 / 編集者

田口あきこ(日本ワインなび編集長)

ホームパーティが好きなことから、より良いおもてなしをするためにワインを学び始める。2015年にワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』のインストラクター養成講座にて講師に抜擢。
2018年 ワイナリー経営者を育成する学校『千曲川ワインアカデミー』にてブドウ栽培・醸造・ワイナリー経営について学ぶ。
2020年『日本ワインなび』を開設し、編集長として運営を行う。
2021年 JETROに附置する農林水産省・食品の輸出・プロモーション機関の事業で日本ワインの認知業務に携わり、海外向けに日本のワイナリー紹介記事を執筆。
ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』講師紹介ページ
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