日本ワインなび

日本ワインの魅力を総合的に発信するサイト

日本ワインを支える人たちを訪ねて
心熱きプロフェッショナルに学ぶ人生の道しるべ

駒園ヴィンヤード株式会社
取締役社長 近藤修通さんに学ぶ
「愛情を持って、
謙虚に相手の声に耳を澄ます」
(全10回)

第6回「西野圃場」

掲載日:2021年6月1日

初収穫まであと2週間のシラー(西野圃場)

駒園ヴィンヤード公式Instagram『自社西野圃場のシラー(2020年8月25日)』より出典
https://www.instagram.com/p/CES6JnWAtLQ/

低い標高×早生品種

田口 次に西野圃場についてお伺いしたいと思います。こちらは標高280m、65a、他の圃場に比べてぐっと標高が低いですよね。低い標高に合わせてソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワール、シラーなどの早生品種を植えられているそうですが?

近藤 はい。西野圃場では、「低い標高を利用して、ブドウが病気になる前に完熟させて収穫する」、そういう作戦でやっています。日本は収穫の時期に秋雨が降ったり台風が来たりして病気になりやすい。殆どカビ系の病気ですね。だからそうなる前に完熟させて収穫したいわけです。だから、標高を下げたところに早生の品種を植えたらいいのではないかと思いました。

田口 健全なブドウを収穫するための作戦を実行されているわけですね。

近藤 西野圃場には早生品種で国際品種、且つ自分が好きな品種を植えています。川窪にも早稲の品種をいくつか植えていますので、西野と比べて地域差がどれくらいでるのかなと。その面白みを楽しんでもらえたらと思っています。

西野甲州、パリのコンクールで金賞受賞

それから、自社栽培ではないのですが、契約農家の方に甲州種を栽培していただいています。駒園圃場の樹齢80年の甲州種の枝を接いだ苗を配っています。ブドウ栽培に関することは僕がやっていることと同じ話を共有して、栽培していただいています。

田口 2021年春にパリで開催されたフェミナリーズ(※1)というワインコンクールで「西野甲州」が金賞を受賞されていましたよね?

近藤 はい、受賞したのは西野圃場のファーストビンテージだったのです。厳密にいうと前年にジャパン・ワイン・チャレンジ(※2)で受賞した「ポニーブラン」というのもその地域の甲州を使っています。「西野」という地域名を銘柄にしてからの初リリースで受賞しました。契約農家さんもとても喜んでいらっしゃいました。

Tao 西野甲州 2020

じっくりと時間をかけて凝縮したブドウを

田口 西野圃場の土壌については砂壌土でしたよね。駒園圃場や川窪圃場の土壌に似ているということでしょうか?

近藤 はい、そうですね。西野圃場の近くには山梨で一番大きな河川、富士川が流れています。武田信玄を困らせたほどの暴れ川としても知られています。それで砂や小石が混じった砂壌土なのですが、やはり苗がなかなか育たないのです。

田口 苗が成長するスピードはゆっくりだけれど、凝縮したブドウが実るということですよね?

近藤 はい。すぐに収穫できる圃場にはならないけれど、将来的に凝縮感があるブドウを収穫できる畑になってくれたらいいなと思っています。実は、西野圃場は他のワイナリーさんには見向きもされなかった畑なのです。やはり収量に見合わないなど、色々な理由があったようで。

田口 近藤さんは年月をかかっても、少量でも良いから凝縮したブドウを収穫してワインを造る、というお考えなのですね。

(つづく)

※1 フェミナリーズ世界ワインコンクール…フランスでTOP5に入る世界的知名度の高いコンクール。審査員は世界中の女性ワイン専門家。2007年創設。

※2 ジャパン・ワイン・チャレンジ…アジア最大規模のワイン審査会の一つ。1997年設立。

参考文献

フェミナリーズ・ジャポン公式HP『フェミナリーズとは』(フェミナリーズ・ジャポン)
https://feminalise-japon.com/

ジャパン・ワイン・チャレンジ公式HP『JWCについて』(ジャパン・ワイン・チャレンジ)
http://jp.japanwinechallenge.com/

この記事の著者 / 編集者

田口あきこ(日本ワインなび編集長)

ホームパーティを開催することが多いことから、より良いおもてなしをするためにワインを学び始める。2015年にワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』のインストラクター養成講座にて講師に抜擢。
2018年春からワイナリー経営者を育成する学校『千曲川ワインアカデミー(長野県東御市)』にてブドウ栽培・醸造・ワイナリー経営について学び、講師業の傍ら、超新規ワイナリーの立ち上げ・畑仕事のお手伝いにも出掛ける。
2020年『日本ワインなび』を開設し、編集長として運営を行う。
ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』講師紹介ページ
Facebook
note

この記事をシェアしませんか?

LINE