第7回「テイスティング編②」
掲載日:2024年1月16日
テイスティングラインナップ
3.ENISHI~ 縁 ~ 2021
ムニエ(54%)、ピノ・ノワール(46%)
4.楽~GAKU~ 2021
ピノ・ノワール100%
ENISHI -縁- 〜かぐや姫をイメージして〜
裕康「こちらは『縁(えにし)』というワインです。」
田口「エチケットに描かれているのは月ですか?」
真紀「はい、エチケットのテーマはかぐや姫なんです。和風のきれいな女性のイメージです。全て除梗して梗を入れないできれいに造りました。日本では初めてなんですけど、この『縁(えにし)』というワインはムニエとピノ・ノワール半々です。ピノ・ノワールを半分入れることでピノ・ノワールの骨格とアフターを持たせられるんじゃないのかという期待を込めてこのブレンドになっています。」
ムニエとピノ・ノワール、双方で補い合って
田口「スティルワインでのムニエとピノの合わせ技は殆んど飲んだことがないです。
新しい境地といいますか。おや、かなり酸味が高いですね。」
裕康「この酸味はムニエからきています。うちのピノ・ノワールのクローンはディジョン系で結構酸落ちしやすい品種なんです。それから、ムニエは単体だとどうしても優しすぎるのと、余韻がすっとなくなってしまいます。ピノ・ノワールで骨格とアフターを補っています。」
真紀「『縁』はお肉料理だけではなく、かつおのたたきとかマグロにも合うんですよ。フルーツ系もいけるし、上品な出汁が効いてるものにも合います。」
田口「ワイン自体に上品な出汁感がありますものね。」
GAKU -楽-
PN単体としてはDomaine Bless初醸造
裕康「こちらは楽(がく)というピノ・ノワール100%のワインです。縁の薄旨系とは対極のワインで、アフターの骨格がしっかりしたピノ・ノワールです」
田口「すみません、『感動』の一言しか出てきません。」
真紀「実はピノ・ノワール100%のワインは作る予定ではなかったのですが、2021年は特に熱くて『今年造らずしていつ造る?』というくらい良いブドウができたので。ファーストリリースです。」
田口「香りのボリュームが大きいですね。テイスティンググラスにはおさまりきらないので、大ぶりのグラスで飲んだ方がいいですね。昔、北海道のピノ・ノワールは色が淡い印象がありますが、これはしっかりと色が出ていますね。」
真紀「2021年はしっかり完熟しました。それから、縁もピノ・ノワールを使っているので、差を持たせたくてこちらは30%全房発酵にしました。」
田口「房ごとのブドウと一緒にアルコール発酵させることによって、独特の果実のアロマが生まれたり、スパイス感が加わることで、全除梗している縁とはちょっと違うテイストになりますものね。」
(つづく)
この記事の著者 / 編集者
田口あきこ(日本ワインなび編集長)
ホームパーティが好きなことから、より良いおもてなしをするためにワインを学び始める。
2015年 ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』の講師に抜擢。
2018年 ワイナリー経営者を育成する学校『千曲川ワインアカデミー』にてブドウ栽培・醸造・ワイナリー経営について学ぶ。
2020年『日本ワインなび』を開設。
2021年 JETROに附置する農林水産省・食品の輸出・プロモーション機関の事業で日本ワインの認知業務に携わり、海外向けに日本のワイナリー紹介記事を執筆。
2024年より千曲川ワインアカデミー倶楽部公式HP『生産者ストーリー』執筆。
同年 北海道余市町登に3.4haの農地を取得し、vineyard開設中。
日本ワイン検定出題作成委員
LDV日本ワインLover講座主任
・ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』講師紹介ページ
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