第4回「夫婦仲良く、共同作業の工程を経て完成するワイン」
掲載日:2024年1月16日
品質を重視するために収量を制限
裕康「こちらが醸造施設です。増築ありきでやってるので、今はだいぶ手狭間なんですけど。こちらが作業室でこちらがタンク熟成セラーです。」
田口「ワインの生産量について教えていただけますか?」
裕康「うちは品質重視なのでだいぶ収量を絞っています。2.2haでワインにすると1万本。あと買いブドウというか委託醸造もやっていますから、去年(2022年)、ワインベースで1万5000本ぐらいです。」
スパークリングに和三盆を取り入れるこだわり
裕康「今、スパークリングにもちょっとずつ力を入れています。ムニエ、シャルドネ、ピノ・ノワール、シャンパンの品種を全部栽培しています。セラー増設に合わせてデゴルジュマンの機械やネックフリーザーなどを導入する予定です。うちは2021年から瓶内二次発酵の時に和三盆を使っています。」
田口「和三盆?こだわっていますね。」
裕康「日本の素晴らしい伝統的なお砂糖なので、その柔らかい香りが出ればいいなと思って。泡はちょっと早出しのものと長期熟成のものの2タイプ造っています。長期熟成のものは24ヶ月くらい熟成させています。」
田口「泡はどのくらいの本数を造っていらっしゃるのですか?」
裕康「自社のもので1000本ちょっとです。今後セラーができたらもう少し増やしていきたいなと思います。」
夫婦仲良く共同作業の工程を経て
裕康「こちらが分析室です。」
田口「分析室に何かこだわりを感じますね。」
裕康「僕は前職が分析屋さんんでしたから、分析はお手のものというか(笑)」
田口「さて、こちらはワインの蝋キャップをするところですね?」
真紀「はい、チーズフォンデュみたいに付けるんですよ。」
裕康「妻はもうプロで、両手で(蠟を)付けることができます。夜な夜な一生懸命やってくれています。僕はただ瓶を出して入れるだけ。」
真紀「私がひたすら蝋をつけています(笑)」
田口「そうやってご夫婦仲良く共同作業の工程を経て、皆さんの元にワインが届くわけですね。」
(つづく)
この記事の著者 / 編集者
田口あきこ(日本ワインなび編集長)
ホームパーティが好きなことから、より良いおもてなしをするためにワインを学び始める。
2015年 ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』の講師に抜擢。
2018年 ワイナリー経営者を育成する学校『千曲川ワインアカデミー』にてブドウ栽培・醸造・ワイナリー経営について学ぶ。
2020年『日本ワインなび』を開設。
2021年 JETROに附置する農林水産省・食品の輸出・プロモーション機関の事業で日本ワインの認知業務に携わり、海外向けに日本のワイナリー紹介記事を執筆。
2024年より千曲川ワインアカデミー倶楽部公式HP『生産者ストーリー』執筆。
同年 北海道余市町登に3.4haの農地を取得し、vineyard開設中。
日本ワイン検定出題作成委員
LDV日本ワインLover講座主任
・ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』講師紹介ページ
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