第3回「透き通るような、桜を感じる日本ワインに魅せられて」
掲載日:2023年6月30日
ワインについて教わった日々
憲「結婚した頃、利き酒師の試験が新潟で行われていました。その帰り道にカーブドッチの看板を見つけて。何だろうなと思っていたら、知り合いが『それは新しくできたワイナリーだよ』と教えてくれました。それでカーブドッチに行って、落さん(※1)に会って。落さんはサンクゼールワイナリーの立ち上げをやった方で新潟に移り、僕らが隣町から来たということですごく喜んでくれて。それから色んなことを教わりました。」
田口「どんなことを教わったのですか?」
憲「どういうものを売らなきゃいけない、どういうものを選んでいかなきゃいけないということをよく話してくれました。芝生の上で犬と一緒に寝転がってそういう話をしていました。」
透き通るような、桜を感じる日本ワインに魅せられて
田口「こちらは長野の中でも歴史あるワインも豊富に扱われていますよね。例えば小布施ワイナリーさんなど。」
憲「小布施ワイナリーの曽我さん(※2)は落さんのところでちょっと修業していたこともあるんですよ。それからフランスへ行かれました。フランスから戻ってきた後、そろそろ木も育ったろうなと思い、2000年秋に曽我さんを訪れました。」
奥さん「テイスティングルームで初めて曽我さんのワインを飲んだ時、透き通るようなワインだと思いました。桜を感じるというか。『日本のワインてこうなんだ!』とすごく嬉しくて。もっと応援してあげたいと思い、取り扱うことになりました。」
田口「『桜を感じる』、素敵な表現ですね。」
憲「城戸さん(※3)に出会ったのはその3年後です。2003年秋、小布施ワイナリーでプロジェクトKを仕込んでいる時、城戸さんについての話を聞いて伺いました。今となると恥ずかしいけど、初めて城戸さんのところに行った時は、正直なところ城戸さんが誰なのか分からずに訪問していました。」
田口「そうだったのですね。今となっては超有名人ですものね。」
(つづく)
※1 落 希一郎…カーブドッチワイナリー創設者。OcciGabi Winery専務取締役。
※2 曽我彰彦…小布施ワイナリー代表
※3 城戸亜紀人…Kidoワイナリー代表
この記事の著者 / 編集者
田口あきこ(日本ワインなび編集長)
ホームパーティが好きなことから、より良いおもてなしをするためにワインを学び始める。
2015年 ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』の講師に抜擢。
2018年 ワイナリー経営者を育成する学校『千曲川ワインアカデミー』にてブドウ栽培・醸造・ワイナリー経営について学ぶ。
2020年『日本ワインなび』を開設。
2021年 JETROに附置する農林水産省・食品の輸出・プロモーション機関の事業で日本ワインの認知業務に携わり、海外向けに日本のワイナリー紹介記事を執筆。
2024年より千曲川ワインアカデミー倶楽部公式HP『生産者ストーリー』執筆。
同年 北海道余市町登に3.4haの農地を取得し、vineyard開設中。
日本ワイン検定出題作成委員
LDV日本ワインLover講座主任
・ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』講師紹介ページ
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