第6回「テールドシエルでの今後の展望①」
掲載日:2023年4月3日
テールドシエルのブドウ畑
色々な品種を育てて可能性を探っていきたい
田口 テールドシエルの今後の展望について教えていただけますか?
桒原 この風土により一層寄り添って、自分の感受性を高めてブドウの質を高めたいですね。まだまだ糠地にはポテンシャルを感じるので、色々な品種を育てて可能性を探っていきたいです。
田口 どんな品種にトライしようと思っていますか?
桒原 サヴァニャンや、もう植えてるけどリースリングやシュナン・ブラン。面白そうだなと思っています。
田口 ワイン愛好家を一世風靡したテールドシエルのソーヴィニヨン・ブランに続き、どんな白ワインが生まれるのかワクワクします。
テールドシエルのブドウ畑
特に赤ワインはクールクライメイトを感じられそう
桒原 それから、シラーやカベルネ・フランは来年増えていく感じです。赤ワインは特にクールクライメイトな感じが出ると思います。
田口 糠地の高い標高で造られるエレガントな赤ワイン、楽しみですね。
桒原 うちのメルロは(冷涼な気候の関係で)王道のメルロではないので、『あれ?』と思う方がいるかもしれません。一般的にメルロはリッチな感じがあるけど、テールドシエルはクールクライメイトなので軽やかでもったりしなくて、酸がピーンとしているので、テールドシエル独自のメルロにできるなと思っています。シラーにも言えることですね。
田口 土地柄が出ている、ユニークなワイン。いいですね。
桒原 糠地だから造れるワインが自分は大切だと思っています。『あれ?これメルロかい?』と言われることもありますが自分はそれがいいなと思っています。暑い土地柄のメルロをここで造れと言われてもできないけど、テールドシエルの土地でしか造れない繊細なメルロを造ることができます。それは白ワインも同じことですね。
田口 そうですよね。特にこちらのソーヴィニヨン・ブランは酸が高く豊かで、標高の高さなど土地柄が表れたワインになっていますもんね。
(つづく)
この記事の著者 / 編集者
田口あきこ(日本ワインなび編集長)
ホームパーティが好きなことから、より良いおもてなしをするためにワインを学び始める。
2015年 ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』の講師に抜擢。
2018年 ワイナリー経営者を育成する学校『千曲川ワインアカデミー』にてブドウ栽培・醸造・ワイナリー経営について学ぶ。
2020年『日本ワインなび』を開設。
2021年 JETROに附置する農林水産省・食品の輸出・プロモーション機関の事業で日本ワインの認知業務に携わり、海外向けに日本のワイナリー紹介記事を執筆。
2024年より千曲川ワインアカデミー倶楽部公式HP『生産者ストーリー』執筆。
同年 北海道余市町登に3.4haの農地を取得し、vineyard開設中。
日本ワイン検定出題作成委員
LDV日本ワインLover講座主任
・ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』講師紹介ページ
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