日本ワインなび

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お家で愉しむマリアージュ

日本ワインの新酒を楽しもう!

2020年12月29日

ついこの前まで、秋の紅葉を楽しんだと思ったら、季節は一気に真冬を感じる寒さになりましたね。

冬至も過ぎ、これからまた夏至に向かって日が長くなっていきますが、寒さはまだまだ厳しくなっていきます。この時期、このご時勢・・体調管理には十分注意していきたいものですね。
日本の素晴らしい四季を、季節の移ろいとともに、旬の食材、旬のお酒を楽しんで、心も身体も元気になりましょう!

さて、今年の新酒の季節は巡りましたが、秋のお楽しみのひとつ、「ヌーボー(nouveau)新酒」は飲まれましたでしょうか?

「ヌーボー」とはフランス語で「新しいこと・新しいもの」という意味で、ワインでは、その年に収穫したブドウで醸造された新酒を「ヌーボー」と言います。

ボージョレ・ヌーボー(Beaujolais Nouveau)とは?

「ヌーボー」と言えば、フランスの「ボージョレ・ヌーボー(Beaujolais Nouveau)」が日本でも浸透し、解禁日と同時にみんなで楽しむ姿がメディアで取り上げられたりするほど、毎年の恒例となっていますね。

フランス、ブルゴーニュ地方に位置する、ボージョレ地区で生産される新酒のみが「ボージョレ・ヌーボー」と呼ばれ、この地区で栽培されるブドウ品種、黒ブドウである雑味の少ない“ガメイ種“で造られています。

このボージョレ・ヌーボーは、毎年11月の第3木曜日が解禁日となっていますが、過去には、日付が決められていたこともあります。
そもそもボージョレ・ヌーボーは、地元の人々が収穫祭で楽しむための地酒だったのです。

9月ごろ収穫されたブドウで、わずか2ヶ月くらいの短期間で仕込んで、若飲み用に造られているため、果実味強く、フレッシュな味わいに仕上がります。

ただ、ヌーボーと言っても、ワインの味わいは生産者によって異なりますので、様々なタイプのワインがあります。

新酒のボージョレ・ヌーボーは、通常のワインの醸造とは異なり短期間で仕上げるため、ブドウの質がワインの味わいに直結します。
ヌーボーのできがよく、おいしいとその年の地方のワインも期待できるのです。

ヌーボーのワインは、ボージョレだけじゃない!

今年のボージョレ・ヌーボーは、皆さんでレストランなどに集まり楽しんだというより、ご自宅で楽しまれた方が多かったことと思います。

そこで、今しか味わえない「ヌーボー」がボージョレ・ヌーボー以外に、もっと身近にあることをご存知でしょうか?

それは、日本ワインのヌーボーです。

新酒は、ワインだけでなく、日本酒、焼酎でも造られていますが、その年に実ったブドウから造られるフレッシュな新酒は秋ならではのお楽しみです。
ヌーボーは新酒ですから、旬を味わうのが基本です。一般的には新酒が発売されてから数ヶ月以内で飲むのが最もフレッシュなおいしさを味わえるとされています。

季節は冬へと移り変わりましたが、これからまだ新酒を味わえます。
大地の恵みに感謝して、日本ワイン・ヌーボーで日本の秋の実りに乾杯しましょう!

日本ワインヌーボー(新酒)とは?

ワインの新酒は、秋のお楽しみのひとつ。

ボージョレ・ヌーボーは、解禁日以降にいっせいに発売されますが、それより一足早く味わえるのが、日本ワインの新酒です。

8月の終わりから10月にかけて収穫された、とれたてのブドウから造ったできたてのワイン。早いものですと、9月後半から発売されています。

日本ワイン・ヌーボーは、国際ブドウ・ワイン機構にワイン用品種として登録されて世界に羽ばたく、日本ならではの品種「甲州」「マスカット・ベーリーA」はもちろん、食用品種としておなじみの「デラウェア」「コンコード」「ナイアガラ」に加え、希少な「ミルズ」や「セイベル」「アジロン」など、ブドウ品種ごとの美味しさやワイナリーの個性を楽しめるのも日本ワイン・ヌーボーの楽しく、うれしいところです。

溢れ出すフレッシュなブドウの香りと、果実味たっぷりの爽やかな味わいがそのまま詰まったワインはその年のブドウのできの良さを感じさせてくれます。

9月中旬から11月まで、各地のワイナリーから次々と出荷されています。

山梨ヌーボー 11月3日に解禁!

多種のブドウから造られる新酒の中でも、ボージョレ・ヌーボーのように、毎年の解禁日が決められている特別なヌーボーがあります。

それが、ワインの国、山梨県のワイナリーで、山梨県内でその年収穫されたブドウで世界に誇る日本固有のぶどう品種である「甲州」と「マスカット・ベーリーA」で造られた新酒ワインです。

この新酒は、ボージョレのように「山梨ヌーボー」と名付けられ、毎年11月3日が解禁日となっており、このヌーボーだけは一斉に発売されます。

11月3日の解禁日には、山梨県甲府駅北口の広場で「山梨ヌーボーまつり」といったイベントが毎年開催され、できた新酒をその場で試飲することができます。

※2020年今年はコロナ禍の影響でイベント開催されるも試飲は中止となりました。

こんな時世だからこそ、ご自宅で日本の新酒を味わいたいですね。

日本ワイン・ヌーボーを飲んで、今年のワインの出来を期待してみませんか。

この記事の著者 / 編集者

吉田順子

JSAソムリエ協会認定 ソムリエ
食べることが大好きなことから、料理教室に7年間通い続けている。明治屋クッキングスクールでは、和食・洋食・中華・菓子の基本コースをマスター。食事の際のお酒の楽しみ方とマリアージュに感動したことから、ワインを学び始める。フードアナリストの資格も保有し、時々フード媒体でライティングを担当。美しいものが好き。ワインもそのひとつ。お料理とワインの楽しみ方、マリアージュを追求していきます。日々の食卓が美しく楽しくなるよう、フラワーアレンジメントやテーブルコーディネートなども交えながらトータルで提案をしていきたいと思います。

その他保有資格
JSA SAKE Diploma、ジュニア・オリーブオイル ソムリエ、日本プリザーブドアーティスト協会 認定講師

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