日本ワインなび

日本ワインの魅力を総合的に発信するサイト

日本ワインを支える人たちを訪ねて
心熱きプロフェッショナルに学ぶ人生の道しるべ

株式会社ヴィラデストワイナリー 代表取締役 兼
日本ワイン農業研究所株式会社
「アルカンヴィーニュ」取締役
小西 超さんに学ぶ
「志を高く持って生きる」(全8回)

第4回「ブドウ栽培の恩師、ワイン醸造の恩師」

掲載日:2020年7月1日

ヴィラデストワイナリー ガーデン内

三田村先生との出会い

田口 ブドウ栽培はどなたに教わったのですか?

小西 栽培だったらこの人に聞くのがいいよ、と麻井先生がご紹介してくださったのが神戸ワインの三田村先生という方でした。三田村先生は元々、マンズワインにお勤めで、マンズワイン小諸ワイナリーの立ち上げをされた方なんです。その後に神戸ワインを立ち上げるために神戸に移られて。神戸ワインはブドウ畑の面積がすごく広いんですよね。

田口 三田村先生とのエピソードをお聞かせ頂けますか?

小西 三田村先生はお若い頃、ドイツでブドウ栽培について勉強されたそうです。当時の日本でブドウ栽培について一番分かっているのは三田村先生だと麻井先生が仰っていました。麻井先生と一緒に神戸ワインへ行ったこともありました。麻井先生がご存命の間、僕と三田村先生とを繋いでくださっていたわけですけど、麻井先生がお亡くなりになった後もご縁が続きました。三田村先生は神戸ワインを退職された後、サンクゼールの顧問に就任されたんです。そういうこともあって、サンクゼールに来たついでにヴィラデストにも寄って、色々教えてくださいました。そういう意味でブドウ栽培について一番教えてくれたのは三田村先生です。今年に入ってからもお越し頂いて、久しぶりにお会いしました 。

田口 小西さんはブドウ栽培については三田村先生から。ワインの醸造については麻井先生から教わったんですね。三田村先生とは今もご交流があるのですね。

小西 はい。それも麻井先生が繋いで下さったご縁です。

田口 三田村先生との特に思い出に残るエピソードがありましたらお聞かせください。

小西 三田村先生も麻井先生に違わずワインに対する情熱がすごい方で。ちょっとタイプは違うんですけど。

田口 どう違うんですか?

小西 どちらかといえば麻井先生は、今の技術を最先端だと思っていても、それは必ずしも最先端ではない。昔ながらの方法の中に忘れ去られた良い技術があるという考えです。もちろん、今の技術を知っていないとダメなんですよ。

ブドウの声を聞きなさい

小西 三田村先生の場合は逆に、最先端の技術を大事にする。それでお二人のワインの方向性にはちょっと違いがあるんです。でも根っこのところでブドウの事とかワインに対する愛はお二人とも同じでした。この日本の中でどうやって良いブドウを栽培して、美味しいワインを造れるか。お二人とも真剣に真面目に考えて頑張って生きている…。
三田村先生はその後、ちょこちょこヴィラデストの様子を見に来てくださって。玉村家に泊まってもらったりしていました。お酒を飲みながら色々なお話を聞かせて貰いました。一番心に残っている言葉があるんですけど…。

田口 どんな言葉ですか?

小西 「ブドウの声を聞きなさい」という言葉です。ブドウが今何をして欲しいのか、何をしたらブドウがどう反応するか。ブドウの声を聞くことができるような、そういう耳とか目を持たないといけない。 そのためにはしっかり観察しないといけないんです。

田口 ブドウの声を聞けるようになるには、やはり観察力とか経験の長さが必要ということでしょうか?

小西 そうですね。ただ経験が長いということではなくて、観察して色々と考えて、ブドウに向き合う。そういうことなんだろうと思います。


『ヴィラデストワイナリー 醸造家のワイナリー通信』より出典
https://www.villadest.com/blog/makers/page/2/

しっかり観察して仕事をする

田口 小西さんご自身もヴィラデストの社員の方々に同じようにお伝えしているんですか?

小西 「ブドウの声を聞きなさい」っていうそのままのフレーズは言ってないですけどね(笑)
しっかり観察をして仕事をするのは大事だよって言っています。1~2年でわかるものではない。3年(3周期)くらい向き合えばだんだんとブドウの気持ちがわかってくる、というようなことは伝えています。

田口 そういう教えのもとにヴィラデストの畑があるわけですね。

小西 そうですね。麻井先生と三田村先生は、僕自身にとってもヴィラデストにとってもなくてはならない存在です。

田口 小西先生は当時の日本ワインをけん引されていたお二人にご師事されていたのですね。

小西 はい。そういう意味では恵まれていたと思います。それから、玉村さんとの出会いもあります。玉村さんと出会わなければ麻井先生とも出会わなかったでしょうし。

(つづく)


(ヴィラデスト初の貴腐ワイン『貴腐シャルドネ2018』 2020年4月より販売開始)

この記事の著者 / 編集者

田口あきこ(日本ワインなび編集長)

ホームパーティを開催することが多いことから、より良いおもてなしをするためにワインを学び始める。2015年にワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』のインストラクター養成講座にて講師に抜擢。
2018年春からワイナリー経営者を育成する学校『千曲川ワインアカデミー(長野県東御市)』にてブドウ栽培・醸造・ワイナリー経営について学び、講師業の傍ら、超新規ワイナリーの立ち上げ・畑仕事のお手伝いにも出掛ける。
2020年『日本ワインなび』を開設し、編集長として運営を行う。
ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』講師紹介ページ
Facebook
note

この記事をシェアしませんか?

LINE