日本ワインなび

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株式会社ジオヒルズ
ジオヒルズワイナリー 醸造責任者
富岡隼人さんに学ぶ
「未来へ繋げる視野と行動力」
(全7回)

第3回「本当のボランティアをすべく、新たな決意」

掲載日:2021年7月19日

本当のボランティアをすべく、新たな決意

富岡 実はベトナムで最初の1年半で任期を終えて、半年間くらいは小諸に帰ってきていたんです。

田口 一度日本に帰って来て、もう一度ベトナムに行かれたのはなぜですか?

富岡 ボランティアの1年半というのは新鮮で楽しいんですよね。でも楽しいというのはボランティアとしてはどうなんだろうと、ずっと思っていました。本当にボランティアをした気持ちにはなれなくて、それでもう一度行くことに決めました。

ラストエンペラーがいた古都での生活

田口 ベトナムではどの辺りで暮らしていたのですか?

富岡 僕が住んでいたのはベトナム中部のフエという都市です。ラストエンペラーがいた、京都のような古都です。ベトナムというと、ハノイやホーチミンが有名ですが、フエはその2都市に比べるとのんびりしていて、時間の流れがゆっくりに感じられました。

田口 時間の流れがゆっくり…いいですね。

富岡 でもちょっと困ったこともありまして。もちろん真面目な子もいるのですが、時間をあまり気にしない学生も多くて…。大学生でも大っぴらにカンニングしていたり。

田口 ゆるい感じなんですね。

富岡 それが大変でしたね。大学生なので卒業試験もあるわけです。卒業させてあげたいけど、この成績でどうやって卒業させればいいんだろう…みたいな(笑)

田口 卒業させるかどうかを判断する立場としては大変そうですね。

富岡 はい。でも脇目も振らずに取り組んでいる子たちもたくさんいました。奨学金の制度を利用して必死に勉強して日本へ留学して。留学と言っても、日本で技術を学んで国に持ち帰るということが目的です。国のために力を尽くすと言う愛国心ですね。

ベトナムで、運命の人との出逢い

田口 富岡さんの奥さまはベトナムの方ですよね。フエで出逢われたのですか?

富岡 僕が滞在していたミニホテルで受付をやっていた子です。格安で宿泊させてもらって生活していました。

田口 素敵な出逢いですね。

富岡 一度日本に帰り、再度ベトナムに行ってから出逢いました。もう一度ベトナムに行こうと思わなければ、出逢うこともなかったんだな…なんて考えることがあります。

田口 自分の心の声に従って、ベトナムにもう一度行くことを決意して良かったですね。先ほどワイナリーに併設されているカフェに行きましたが、そちらにいらしたのは奥さまでしょうか?

富岡 はい、そうです。カフェではベトナム料理も出しています。


ジオヒルズワイナリー公式HP『カフェ / ジオヒルズ風フォー』より出典

ついてきてくれた奥様への感謝

田口 奥様を連れて日本に帰ってきて、一緒にワイナリーを立ち上げて。凄いですね。

富岡 よくついてきてくれたと妻には感謝しています。妻にとっては初めての海外でしたから。2015年にアカデミーが開講されるとのことだったので、僕一人で一度小諸に帰ってきて、その年に結婚式があったので、またベトナムへ行きました。

田口 ベトナムで結婚式を挙げられたのですね?

富岡 はい。ベトナムでは300人くらい平気でゲストを呼ぶんですよ。日本みたいに「いとこ」とか「はとこ」とか、そういう概念はなくて。みんな「お兄さん」、「お姉さん」みたいな感じなんです。家族の範囲が広いので親戚を紹介されてもあんまりよくわからないんですけど(笑)
式を挙げたのは12月、向こうは35度という暑い日でした。その翌日に妻を連れて日本に帰ってきました。

田口 12月の小諸市はかなり寒かったのでは?

富岡 小諸はマイナスでしたから、前日と40度くらい差がありました。

田口 それはびっくりされたことでしょう。ところで奥様はベトナムでは雪も見たことがなかったということですよね?

富岡 はい。ベトナムの北部の一部で降るだけなので、見たことはなかったそうです。だから日本に来て雪を見るのが楽しみだと言っていました。でもこっちにきた瞬間、「もういいや」と(笑)


ジオヒルズワイナリー内のカフェで供出しているシードル

(つづく)

この記事の著者 / 編集者

田口あきこ(日本ワインなび編集長)

ホームパーティを開催することが多いことから、より良いおもてなしをするためにワインを学び始める。2015年にワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』のインストラクター養成講座にて講師に抜擢。
2018年春からワイナリー経営者を育成する学校『千曲川ワインアカデミー(長野県東御市)』にてブドウ栽培・醸造・ワイナリー経営について学び、講師業の傍ら、超新規ワイナリーの立ち上げ・畑仕事のお手伝いにも出掛ける。
2020年『日本ワインなび』を開設し、編集長として運営を行う。
ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』講師紹介ページ
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