日本ワインなび

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株式会社ジオヒルズ
ジオヒルズワイナリー 醸造責任者
富岡隼人さんに学ぶ
「未来へ繋げる視野と行動力」
(全7回)

第2回「単身、ベトナムへ」

掲載日:2021年7月19日

ベトナムでの授業風景(写真:富岡さんより提供)

ベトナムに渡ったきっかけ

田口 ワイナリーを立ち上げる前、富岡さんはベトナムで日本語を教えられていたのですよね。どのくらいの期間行かれていたのですか?

富岡 2010年から2015年までベトナムにいました。

田口 どうしてベトナムに行かれたのですか?

富岡 佐久地域に「蕎麦打ちの会」みたいなものがありまして。その団体はベトナムの学生に日本の食文化を伝える活動をしていました。父がその会に所属していて、ベトナムを回っている時にと或る町でNGOの代表と出会ったんです。「ボランティアを募集しているので、息子さんにどうですか?」と、その方にお声がけいただいて。

田口 それがきっかけでベトナムに行かれたのですね。

富岡 はい、そうです。そのNGOの代表はベトナム戦争が終わった直後にベトナムに行かれて、街中にストリートチルドレンがいたことに衝撃を受けたそうです。彼は東京で小学校の教員をされていたのですが、40代の時に退職して単身でベトナムに行って施設を作られました。そういった10代の子たちが無償で入れるようにして、勉強が好きな子は大学まで無償で行かせてあげていました。勉強が苦手な子も自活できるように職業訓練センターに通わせて。だいたい20歳前後で退所させて自分の力で生きていけるように、最終的にはその団体自体がなくなるように、ベトナムが平和な国になるまで頑張ろうと、そういう活動をしている方でした。

田口 素晴らしい活動ですね。富岡さんはその施設の子供たちに日本語を教えていたのですか?

富岡 はい、そういった施設の子供や現地の学生さん、大学の日本語学科、日本企業のベトナム支社のベトナム人スタッフたちに教えていました。収益は現地の子供たちの生活費に充てていました。

一人一人の生徒に寄り添って

田口 海外で日本語を教えるというのはご苦労も多かったのではないかと思いますが、実際に授業をしてみていかがでしたか?

富岡 一クラス40人いました。ベトナムの方は素直でストレートなので、自分が完璧にやっているつもりでも、「何を言っているのか分からない」「聞こえない」と言われました。相手が分かっていなかったら何の意味もないので、それぞれの生徒を観察して、この子にはこういう風に話そうと、考えながら教えていました。おかげで話術は上手になりました。

ものの豊かさ、心の豊かさ

田口 ベトナムでの5年間に渡る生活で富岡さんご自身が何か学ばれたことはありますか?

富岡 ベトナムは古き良き日本という感じがありました。モノの豊かさはないけれど、家族を大切にして年長者を敬うという心の豊かさ、人と人との繋がりが温かいこと。

田口 人と人との繋がりは日本ではだんだんと希薄になってきているような気もするのですが、ベトナムではそういう心の豊かさがあったと。

(つづく)

この記事の著者 / 編集者

田口あきこ(日本ワインなび編集長)

ホームパーティを開催することが多いことから、より良いおもてなしをするためにワインを学び始める。2015年にワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』のインストラクター養成講座にて講師に抜擢。
2018年春からワイナリー経営者を育成する学校『千曲川ワインアカデミー(長野県東御市)』にてブドウ栽培・醸造・ワイナリー経営について学び、講師業の傍ら、超新規ワイナリーの立ち上げ・畑仕事のお手伝いにも出掛ける。
2020年『日本ワインなび』を開設し、編集長として運営を行う。
ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』講師紹介ページ
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