第5回「小田原ワインプロジェクト 初の試飲会」
掲載日:2022年10月19日
皆の夢が形になった夜
2022年8月にメイヴ(約70kg)が収穫され、長野県のワイナリーで醸造が行われた。そして、10月4日に小田原市内のライブハウスで初の試飲会が行われた。会場にいくつものメディアや著名人も駆けつけていた。
試飲会は小田原ワインプロジェクトの立ち上げメンバーによって運営され、加藤さんによる「世話人の辞」から始まった。
「メイヴは3年目に当たる来年が本番と思っていましたが、今年これだけワインができたのは驚きです。ワインボトル56本というのは少ない数かもしれませんが、我々にとっては素晴らしい成果です。来年は今年より一桁多い本数のワインができると思っています。押しつけになるので多くは申し上げませんが、私が飲んだ感想は、皆さんがかけた愛情がそのままここにコピーされている、そういうイメージです。」 加藤さんは最高の笑顔で語った。
世話人の辞の後には「メイヴ贈呈式」が行われ、総合建築会社の和田組を初め、これまでに主に力を貸してくれた方たちに加藤さんからワインボトルが送られた。
「朝日が海に注がれ、赤ワインになるイメージ」をエチケットに
エチケットのデザインは、立ち上げのメンバーの一人である神戸さえさんが原画を作成した。とりわけ朝日の光景が素晴らしいので、「朝日が海に注がれ、赤ワインになるイメージ」を描いたそうだ。その原画をもとに鈴木美咲さん(小田原市在住のデザイナー)が更に発展させ、エチケットの完成となった。
「小田原らしい味わいになりました。描けば夢は叶うものですね。」
と、神戸さんは嬉しそうに話していた。
メイヴの味わい
小田原のメイヴは、チェリーやラズベリーなど赤系ベリーの可愛らしいアロマが中心の「チャーミング」なワイン。土のニュアンスもあるので、「大地を感じる」というコメントも聞こえてきた。
加藤さんも仰っていた通り、このワインはチャーミングな面の他に「ノスタルジックな一面」も持っている。
加藤さんは委託醸造先であるワイナリーに「なるべくスッピンで出してくださいね」と頼んでいた。それで亜硫酸は最低限の使用。醸造家からの愛情の掛け方もワインに表れている。
2時間に渡る和やかな時が流れ、皆それぞれ交流を深めて更に夢が膨らんだ。試飲会は鳥越健さんの小田原北条一本締めによって幕を閉じた。鳥越さんは毎週、ブドウの世話をしてくれている功労者の一人だ。
鳥越健さん(写真 ©︎Keisuke ISHII photography)
(つづく)
この記事の著者 / 編集者
田口あきこ(日本ワインなび編集長)
ホームパーティが好きなことから、より良いおもてなしをするためにワインを学び始める。
2015年 ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』の講師に抜擢。
2018年 ワイナリー経営者を育成する学校『千曲川ワインアカデミー』にてブドウ栽培・醸造・ワイナリー経営について学ぶ。
2020年『日本ワインなび』を開設。
2021年 JETROに附置する農林水産省・食品の輸出・プロモーション機関の事業で日本ワインの認知業務に携わり、海外向けに日本のワイナリー紹介記事を執筆。
2024年より千曲川ワインアカデミー倶楽部公式HP『生産者ストーリー』執筆。
同年 北海道余市町登に3.4haの農地を取得し、vineyard開設中。
日本ワイン検定出題作成委員
LDV日本ワインLover講座主任
・ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』講師紹介ページ
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