日本ワインなび

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日本ワインを支える人たちを訪ねて
心熱きプロフェッショナルに学ぶ人生の道しるべ

前小田原市長 加藤憲一さん率いる
小田原ワインプロジェクトの皆さんに学ぶ
「人の力」(全6回)

第3回「小田原ワインプロジェクトのテロワール」

掲載日:2022年10月19日

朝日が良く当たり、海風が吹き抜ける畑

圃場は標高200mの丘陵地。東向き斜面で朝日がよく当たる。風通しを良くするため、ブドウは東西に植えたという。実際、常に海風が吹き抜けて空気が淀まない。

暖かく湿気の多い小田原の地で、風通しの良い場所であることはブドウ栽培に必須であろう。
また、驚くべきことにメイヴは完全に無農薬で栽培されている。

「あとはどれくらい実るのか。2021年の初収穫では20〜30位の房が実りました。今年はもっとつくだろうな。」
と、期待に胸を膨らませる加藤さん。
(その後、2022年の収穫では約70kgのメイヴを収穫できた。)


萌芽を迎えるメイヴ

石垣山ならではの水捌けの良い土壌

土壌について加藤さんに聞いてみた。
「土壌は場所によって違いがあるけれど、私たちが今立っているところは関東ローム層に近い。晴れている日は輝いて見えるけれど、雨が降ると真っ黒になります。この辺りはもともと箱根外輪山の活動によってできた花崗岩が下にあるので、掘ればかつて一夜城の石垣に使ったような石材がガンガン出てきます。数メートル下は溶岩大地のようになっていて、そういう意味で比較的水捌けは良いと思います。前の晩に相当降ってもほぼ何ともありません。」

加藤さんはこう続けた。
「ユンボで掘った時、全く岩は出てきませんでした。でもそのちょっと先にいくと岩の露頭があって。岩山だということが改めて分かりました。」

圃場は豊臣秀吉が建てたことで知られる一夜城の近く。一夜城は関東で初めての石垣の城と言われている。この辺りに積まれた石垣は豊臣秀吉の時代に積み方が伝えられたもので、代々受け継がれている大切な景観資源でもある。

テロワールには天や地の恵みだけではなく、人も含めるという考え方がある。小田原ワインプロジェクトは、無農薬のブドウ栽培を目指している。皆さんの哲学や優しさもきっとワインに表れるだろう。

(つづく)

この記事の著者 / 編集者

田口あきこ(日本ワインなび編集長)

ホームパーティが好きなことから、より良いおもてなしをするためにワインを学び始める。2015年にワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』のインストラクター養成講座にて講師に抜擢。
2018年 ワイナリー経営者を育成する学校『千曲川ワインアカデミー』にてブドウ栽培・醸造・ワイナリー経営について学ぶ。
2020年『日本ワインなび』を開設し、編集長として運営を行う。
2021年 JETROに附置する農林水産省・食品の輸出・プロモーション機関の事業で日本ワインの認知業務に携わり、海外向けに日本のワイナリー紹介記事を執筆。
日本ワイン検定 出題作成委員
ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』講師紹介ページ
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