第5回シャルドネ~日本の北から南まで~【Vol.5】
2021年7月2日
5.菊鹿シャルドネ2019(熊本ワイン)/ブドウ:熊本県菊鹿町産 【750mℓ・2,648円】
次は菊鹿を飲んでみましょう。洋介さんはこの前こちらのワイナリーを訪問されたそうですね。
こちらは契約農家さんと提携して垣根方式(※1)で造っているシャルドネです。
地図で見ると山の中ですね。阿蘇山の北西の辺りですね。
香りがすごく華やかです。柚子やはっさくのような和柑橘の香りや白いお花のような香りがあります。
アプリコットとか、熟した果実の香りが立ち上ってきます。圧倒的な果実味です。
豊かな果実味から、ほんのり甘さを感じます。お花のような甘い香りもあります。
口に含んだ後の、鼻に抜けていく香りに熟した桃や蜜リンゴの甘やかさを感じます。アロマと異なっていて不思議。ミネラル感も感じます。
菊鹿ワイナリーの周りに栗の木がたくさんあるのですがあって、栗の香りがしませんか?
そういえば、小布施ワイナリー(長野県)のシャルドネにも蒸した栗の甘やかな香りを感じたことがあります。小布施は栗の名産地だからかなぁ・・なんて思ったことがありました。
味わいにも香りにもほんのり甘さが感じられますね。樽からきているのかな。少し時間が経ってくると更に香りが華やかになってきました。
菊鹿ワイナリーは地元から愛されていて、家族で遊びに来たり、レストランもあって楽しめるワイナリーです。Facebookをフォローしているのですが、餅つき大会など色々なイベントを開催されているようです。地域の人たちに愛されて、地元の料理や文化に馴染み、地域に根差しているところが素晴らしいと思いました。
海外のワイナリーみたいで良いですね。
さて、こちらのワインはどんなお料理に合わせるのが良さそうでしょうか?僕はぜひ栗ご飯に合わせてみたいですね。
ご飯の甘みと栗の香りが合いそうです。
出汁感があるので和食に合うと思います。
日本酒のような旨味も感じるから、和食にはぴったりのワインですね。
ワインの柚子などの和柑橘の香りと酸味は、焼き魚にぴったりだと思います。ワインの旨味が椀物にもよく合いそうです。
このワインよりも上のレンジの「菊鹿シャルドネ樽熟成2017」は2020年の「シャルドネ・デュ・モンド」というフランスの国際コンクールで国内で唯一、最高となるシルバーメダルを受賞したそうです。今後の菊鹿ワイナリーのシャルドネ、目が離せませんね。
※1 垣根方式…垣根のようにブドウ樹を並べて植える方式で、一般的に収穫量が少なく凝縮したブドウが収穫できる。日本の食用ブドウは棚方式で栽培していることが多い。
(つづく)
この記事の著者 / 編集者
内田一樹
『テイスティング』コーナー進行役。ソムリエとワイン・エキスパート両方のエクセレンス資格を持つワインのプロ。さらに、栽培・醸造の学校卒業の経歴から、その視点で日本ワインの魅力と可能性を語ります。