第3回「世界に一つしかない樹齢20年のメイヴ畑を訪れて」
掲載日:2022年2月10日
樹齢20年のメイヴ(藤沢市)
気になるメイヴの味わい
田中 (畑で)これが20年目のメイヴです。世界でこの30本しかないんですよ。実が幾つか残っていますから、よかったら食べてみてください。
田口 12月なのに実がまだ残っているのですね。(メイヴの実を口に含んで)こんなにシワシワなのに酸がしっかりと残っていますね。貴重なものをありがとうございます。すでにメイヴはワインとして造られているのですよね?
田中 はい、2019年に北海道余市郡仁木町のワイナリー:株式会社NIKI Hillsヴィレッジに委託醸造してもらいました。うちはNIKI Hillsの顧問をやっているんですよ。
田口 そういうご縁があったのですね。どんなワインになりましたか?
田中 収穫時の糖度は23〜24度でした。まだブドウの収量が少ないので350mlで100本程しか造れませんでしたけどね。
藤沢市長や茅ヶ崎市長、畑仕事を手伝って頂いたボランティアの方々に、少ないですけどそのボトルを差し上げました。特に女性から好評価でした。ライトな味の赤ワインなのでお肉だけではなく、魚介類にも合うんですよ。
ところで、メイヴのワインをビオワインのプロにテイスティングしてもらったこともあります。
田口 どなたにテイスティングしてもらったのですか?
田中 ●●●●さん※1です。
田口 凄い方にテイスティングしてもらったのですね!
田中 その時は凄い方だとは知らずに頼んでしまいました(笑)。●●●●さんにTsukuba Vineyardまでお越しいただいて、テイスティングしてもらいました。「これビオワインだよね?いけるんじゃない。」なんて言われて。「ビオワインとして造るのにいい品種じゃないの。」とのお言葉を頂きました。
枝に残っていたメイヴの実(12月初旬)
2022年リリース予定のワイン
田口 次にリリースされる予定のメイヴのワインについて教えていただけますか?
田中 2021年7月は雨続きで 日当たりが良くなくて。 ずっと雨だったせいで8月になると実が割れ始めたので、糖度18度の早い段階で収穫しました。 それからNIKI Hillsに送って 麿さん(※2)に醸造してもらう予定でしたが、「田中さん来ない?」って言われたので私と妻でジュースを搾りに行きました。酵母を入れたりそこから先の作業は麿さんがやってくれました。 今回はスパークリングを造ることになり、 350mlのボトルに王冠をつけてリリースします。
田口 私はスパークリングワインが大好きなので楽しみです。敢えて澱を取り出さず、王冠のまま出荷されるのですね?
田中 はい、王冠を開けて中身を出したりせず、そのまま出荷する形です。
(つづく)
※1 ●●●●さん…海外でビオディナミ農法により無農薬にこだわるワインを生み出す醸造家。
※2 麿 直之…株式会社NIKI Hills ヴィレッジ 取締役・醸造担当
この記事の著者 / 編集者
田口あきこ(日本ワインなび編集長)
ホームパーティが好きなことから、より良いおもてなしをするためにワインを学び始める。
2015年 ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』の講師に抜擢。
2018年 ワイナリー経営者を育成する学校『千曲川ワインアカデミー』にてブドウ栽培・醸造・ワイナリー経営について学ぶ。
2020年『日本ワインなび』を開設。
2021年 JETROに附置する農林水産省・食品の輸出・プロモーション機関の事業で日本ワインの認知業務に携わり、海外向けに日本のワイナリー紹介記事を執筆。
2024年より千曲川ワインアカデミー倶楽部公式HP『生産者ストーリー』執筆。
同年 北海道余市町登に3.4haの農地を取得し、vineyard開設中。
日本ワイン検定出題作成委員
LDV日本ワインLover講座主任
・ワインスクール『レコール・デュ・ヴァン』講師紹介ページ
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