日本ワインなび

日本ワインの魅力を総合的に発信するサイト

テイスティング
日本ワインの魅力、可能性、暮らしでの楽しみ方

テイスターのご紹介

Tomoe

ソムリエ・エクセレンス、元外資系航空会社勤務。現在は、酒類卸会社で会員制情報サイトの編集・執筆を担当。世界を飛んだ美食家として日本ワインの魅力を語ります。

泉 洋介

ワイン・エキスパート、海外出張の際には伝統国以外にもインド・中国産などNext new normalなワインにも触れ日々研究中。この経験と専門分野ブランディングとデジタルマーケを切り口に日本ワインの魅力と可能性について語ります。

吉田順子

ソムリエール、ワインカルチャー講師、女性が選ぶワインコンテストSakura Award審査員。ワインとお料理のマリアージュの視点から日本ワインの魅力と可能性を語ります。

内田一樹

『テイスティング』コーナーの進行役。ソムリエとワイン・エキスパート両方のエクセレンス資格を持つワインのプロ。さらに、栽培・醸造の学校卒業の経歴から、その視点で日本ワインの魅力と可能性を語ります。

第4回 日本ワインの新酒を楽しむ【vol.1】

2020年12月5日

テイスターが選んだ日本ワインの新酒たち

画像左より

  1. てぐみにごり新酒(横濱ワイナリー)/ブドウ:長野県安曇野市明科【375mℓ・1,760円】
  2. デラウェアにごりワイン(シャトー酒折)/ブドウ:山梨県【720mℓ・1,650円】
  3. フレール デラウェア(ルミエール)/ブドウ: 山梨県【1,540円】
  4. ヌーボー白(丹波ワイン)/ブドウ: 京都府 【1,320円】
  5. Concord Dry Nouveau(はすみふぁーむ)/ブドウ:長野県東御市 【1,500円】
  6. HARVEST FESTIVAL MUSCAT BAILEY-A(都農ワイン)/ブドウ: 宮崎県都農町 【1,480円】
  7. ロリアン 新酒アジロン(白百合醸造)/ブドウ: 山梨県 【1,760円】

今回は、日本ワインの新酒が出始めてきたこともあり、新酒ワインの飲み比べをしてみようと思います。
山梨の「甲州」と「マスカット・ベーリーA」の新酒は、毎年11月3日が解禁日なので、それ以外の新酒ワインをテイスティングし、その美味しさを味わってみようという企画にしました。
新酒ワインを飲むならオープンテラスで、わいわいと楽しくと、いつものカジュアル・レストランで楽しみました。

まずは、白ワインの新酒4種類。
シャルドネ1種類とデラウェア3種類の飲み比べです。
途中、日本ワインの新酒を楽しむ文化を根付かせたいと意見交換になりました。
赤ワインは、3種類とも品種違いで飲み比べました。

(左手前)市川朋依/(左奥)内田一樹/(右奥)吉田順子/(右手前)泉 洋介

フルーティさと澱の旨味を楽しむ

1.てぐみにごり新酒(横濱ワイナリー)/ブドウ:長野県安曇野市明科【375mℓ・1,760円】

まずは、乾杯!

少し微発泡ですね。濁ったリンゴジュースのような外観です。
辛口のシードルみたいな飲み口です。

摩り下ろしたてのリンゴの香りがして、フレッシュなアロマが豊かです。後味ははすっきりしています。

樽も使っていないので、ブドウ果汁そのものの風味が出ていますね。

瓶の底に澱がたくさんあるので、澱の旨味も感じますね。

辛口タイプで残糖分がないということは、酵母が糖分を食べきって、餌の糖分が無くなり、死んで澱になったということですね。その後、酵母はタンパク質でできているので、自己分解がすすみ、アミノ酸に分解されてワインに溶け出して旨味になります。

この微発泡感はどうしてですか?

発酵の最終段階で瓶詰めしたと裏ラベルに記載があるので、瓶内で少し発酵が進行したことで、発酵により発生する二酸化炭素の泡による微発泡ですね。

そういえば、余韻に旨味が続きますね。
どこのシャルドネを使ってるのでしょう?

長野の安曇野のシャルドネって書いてあります。

この前、横濱ワイナリーを訪問してきたのですが、女性オーナーで醸造責任者の町田さんが、このワイン以外に造っているワインは、岩手の葛巻の契約栽培農家のブドウで醸造していると伺いました。

最近、横浜市内に自社畑を造ったみたいです。

新酒って1年2年たてば新酒という名称ではなくなったりするのでしょうか?

でも、ボージョレ・ヌーボーも寝かして味わいがどうか、と仰る方もいますが、ヌーボーは醸造方法自体が異なるから、何年寝かしてもヌーボーはヌーボーなんですよね。

このワインも「てぐみにごり新酒」ってワイン名に新酒って書いてありますね。1年経ったら1年経った新酒と表現してよいのでしょうね。

このワインは、澱もあるし酸もしっかりしてるので、シャンパーニュで澱と共に寝かしてあるのと同じように熟成したりするんでしょうか。

シャンパーニュのように濾過をしっかりして不純物を取り除き、SO2(酸化防止剤)で雑菌を取り除いたワインを瓶内二次発酵させれば長期熟成も可能だろうけど、日本ワインの新酒は無濾過でSO2も使っていないものが多いから、すぐ飲まないと劣化するリスクは大きいと思う。このワインも無濾過、酸化防止剤不使用だから、すぐ飲んで楽しむワインですね。

酸とのバランスもよくて美味しいですし、フレッシュ感が最大限に表現されているかのようです。
今年のブドウのできのよさが伝わってきます。
1本目から、日本のヌーボーの素晴らしさを感じます。!
375mℓだと足りませんね…(笑)。

1人1本って感じで飲めちゃいますね(笑)

2.デラウェアにごりワイン(シャトー酒折)/ブドウ:山梨県【720mℓ・1,650円】

では、デラウェアの新酒3種類の飲み比べをしていきましょう。

エチケットがポップで可愛い。
陽気な感じが新酒を楽しむのに合ってますね。

絵柄や字体がカジュアルですね。
価格も1,650円とカジュアルラインだし。
今日のようなテラス飲みに最適ですね。

香りが華やかです。

フルーツとお花の甘やかな香りは、酵母が香りを引き出すVL1というのを使っているからかもしれません。

シュールリーのような日本酒の吟醸香がします。

残糖があるからアルコール度数も7.5%と低いですね。

味わいに甘みがありつつ、アルコール度数が低いのは、早めに収穫したブドウで醸造し、発酵を途中で止めてしまうから?ということなのででしょうか?

収穫時の糖度が9.38度と低いですね。
ワイナリーの説明では「7月の長雨、日照不足により大きな打撃を受け、糖度も低い状態でしたが、低温でゆっくりと丁寧な発酵をさせることで、フルーティな香りが十分に引き出され、低アルコールで飲みやすいワインになっている」と書いてありますね。

このワインは、ぐいぐい飲める感じです。
山梨の人たちは湯のみでぐいぐいワインを楽しみますものね。

それに、甘酸っぱくて美味しい!
果実のデラウェアを食べてる感じ。

果実感がすごいけど、酸もしっかりあるのでバランスがいいです。

アタックの甘いアロマとアフターの甘みがとても印象的です。

ブドウの糖度とワインのアルコール度数からみると補糖しないと残糖は残らないと思います。
非常に甘やかな果実味が豊かなので、その香りに引っ張られて甘く感じるのかもしれません。

3.フレール デラウェア(ルミエール)/ブドウ: 山梨県【1,540円】

少し微発泡している感じがします。
果実香と、かすかに仁丹のような?薬草っぽい香りがします。

フルーツドロップの白いハッカ味のようなスーっとする感じかなぁ。

デラウェアの果実の凝縮感からくる香りじゃないかな。
ミント系のハーブの香りかな。

マスカットや白桃のフルーツの熟した香りが華やかです。

笛吹市一宮町のブドウを使っていますね。温暖で日照量が多く、ブドウが良く熟す地域のブドウを使っているからですね。

糖度が高いブドウを9%のアルコール度数で発酵を止めたので、その分の糖分がワインに残っているということですね。フルーツの甘やかさに、綺麗な酸が後味を引き締めてくれる感じです。
お料理は何が合うんでしょうか?

このワインだけでガブガブ飲めるし、爽やかでどんなお料理にも合う感じですね。

今、食べている真鯛のカルパッチョドレッシングの酸味、バルサミコのほのかな甘み、ワインの甘さが、バランスが取れていて合いますね。
この前、私が銚子で釣り上げた大きなヒラメとか、白身魚を使って、カルパッチョなど、やはりシンプルでフレッシュなお料理にも合わせたいワインです。

このサラダにもフルーツドレッシングを合わせる感覚で、甘やかなワインが合いますね。

(つづく)

この記事の著者 / 編集者

内田一樹

『テイスティング』コーナー進行役。ソムリエとワイン・エキスパート両方のエクセレンス資格を持つワインのプロ。さらに、栽培・醸造の学校卒業の経歴から、その視点で日本ワインの魅力と可能性を語ります。

この記事をシェアしませんか?

LINE