北海道余市町で日本ワインを作る。モンガク谷ワイナリー試飲会
2019年1月10日
北海道余市町で日本ワインを作る「モンガク谷ワイナリー」
2019年1月8日
北海道の余市町にあるモンガク谷ワイナリーさんのプロ向け試飲会に表参道にあるブルゴーニュワイン専門のワインバー「Burgandy」にお邪魔しました。
モンガク谷ワイナリーさんでは2018年に醸造設備を設置するまではブルース・ガットラヴさんのカスタムクラッシュワイナリー(受託醸造所)10R Wineryでワイン造りを行って来たそうです。
ワイナリーオーナーの木原茂明さん・ゆうこさんご夫妻はお二人とも気さくなお人柄で、丁寧にワインやワイナリーについてご説明してくださいました。
ワイナリーについて
ー最初からワイナリーをつくろうと移住をされたのですか?
(ゆうこさん)- 実はもともとワイナリーをやりたくて移住したわけではないんです。たまたま登醸造の小西さんと知り合いで、その縁で子供が生まれたことをきっかけにして余市に移り住んだのですが、移住した後にドメーヌタカヒコさんのワインやブルースさんのワインを飲んだり、小西さんのお話を聞いているうちに主人がワインにはまってしまって、ワインづくりをやってみようということになりました。
ぶどう畑
- ピノノアール 1町(約1ha)
- シャルドネ 4反(約40a)
- ソービニオンブラン
- ピノグリ
- ピノブラン
- ピノタージュ(少量)
- ゲヴルツトナミネール(数本)
7反ほど自根で栽培を行っているとのことです。フィロキセラは北海道には発生していないとのこと。
ぶどう栽培の特徴
最初のヴィンテージである2015年は、完全無農薬でぶどう栽培を行ったこともあって、うまく行かず収量はとても少なかったそう。3年目からは有機栽培で使用が認められているボルドー液と納豆菌を使用して防除を行っているそうです。
また、他のワイナリーさんと違った特色として、うに殻を一年積んでおいて肥料化し、ミネラル分として畑にまいているそうです。
醸造の特徴
畑で採れたぶどうをすべて混醸してます。畑の標高は130mあり、余市の中では一番高く、霧が発生することもあります。それによってぶどうが貴腐化しているものもあり、房ごとに味見をして確かめた後に混醸に回します。
リリース本数
- 2015年500本
- 2016年1000 本
- 2017年5000本
- 2018年2000本予定
2019年は7000本を超えたい。
2018年は霧の発生で花振るいが起きてしまい収量が今一つでした。余市町の他の畑でも収量が少なかったとのことです。
まとめ
まだまだ駆け出しのワインメーカーですと謙遜する木原さん夫妻でしたが、ワインのクオリティはとても高いと感じました。ワイナリーだけでなく、宿泊施設や生ハムの製造・販売などにも事業を広げていきたいと仰っていました。
自宅をセルフビルドするほどのパワーを持つお二人のバイタリティがあればどんな壁も乗り越えられそうですね。
ちなみに、私はワインのテイスティングを行うスキルは持ち合わせていませんので、あまり体系的にワインの記述をすることはできませんが、感想を少しだけ。
モンガク谷2017はスッキリフレッシュな酸味を持ちながらミネラル感が感じられる美味しいワインであると思いました。試作品のペティアンは糖度24度のピノタージュで造っているとのことでしたが、骨格のしっかりした飲みごたえのある美味しさでした。
モンガク谷2015と2016もベースはしっかりしていて、少し草っぽいニュアンス が感じられました。
今後がとても楽しみなワイナリーです。「大草原の小さな家」をテーマとするワイナリーに今年は訪問して更に取材してみたいと思います。
こちらもどうぞ
ローカルワーク in Hokkaido
「大草原の小さな家」から発信する壮大な夢
公式ウェブサイト
モンガク谷ワイナリー
本サイト「日本ワインまとめ」 ワイナリーマップのページ